トリコモナス原虫の潜伏期間とは

トリコモナス原虫の潜伏期間とは

トリコモナスは、「トリコモナス原虫」とよばれる寄生虫によっておこる性感染症です。
現在日本では減少傾向にある性感染症ですが、性行為がそれほど活発でない中高年の方にも症状が良く見られるなど幅広い年代層に感染が見られるのが特徴です。
また男性に比較して、女性の発症率が高いのも大きな特徴となっています。
トリコモナス原虫は、しっかりと死滅させなければ何度でも再発の可能性があるため、注意が必要な感染症です。

トリコモナスには潜伏期間があり、感染してもすぐに症状が出ることはありません。
一般的には約10日の潜伏期間を経て症状が現れますが、これには個人差があり、数日ですぐに発症する人から、一か月以上経ってからという場合もあります。
そのため潜伏期間から逆算することで、「いつ感染したか」という感染源の特定は難しい病気です。
また気を付ける必要があるのは、潜伏期間中といって感染力はあるため、性行為をすれば感染を広げてしまうことがある点です。

潜伏期間が経過した後でも、必ずしも症状が現れるとは限りません。
その傾向は男性の場合にとくに強く出ていて、男性では9割以上の人は感染しても特に症状が現れることはありません。
他方、女性の場合に無症状となるのは全体の1、2割ほどしかなく、多くの場合に症状が現れます。

トリコモナスの感染原因となるのは、主に「性行為」です。
またトリコモナス原虫は体外に出た場合でも「水のある場所」であればしばらくの間生存できるため、プールやトイレ、お風呂などを介して感染することもあります。
子供がトイレなどから感染してしまうこともあり、感染者の家族は注意が必要です。

感染後に症状が出る場合には、男性は「尿道炎」を発症します。
それにより「尿道から分泌物がでる」「排尿時にいたみ・かゆみを感じる」などの症状が現れますが、比較的軽微なものが多いため、発症した場合でも気づかれないことが頻繁にあります。
一方、女性では症状が強く出ることが多く、感染時には「膣炎」を発症し、「おりものの変化(黄色い・悪臭・悪臭)」「外陰部の腫れやただれ」「排尿時に痛み」「不正出血」などが現れます。

トリコモナスは自然に再発してしまう?

トリコモナスの症状が消え完治したはずが、すぐに再発するという場合が良くあります。
本来トリコモナス原虫を完全に死滅させた場合には自然に再発の可能性はないはずです。
にもかかわらず再発をするのにはいくつかの理由が考えられます。

まず考えられるのは「体内に菌が残っていた」場合です。
これには治療が十分でなかった場合が考えられます。
トリコモナスの原因菌が一部でも死滅せずに残っていれば潜伏期間をかけて増殖し、再び発症してしまいます。
またトリコモナスに使われる治療による完治率は約9割といわれ、完全に原因菌が取り除けるわけではありません。
完全な治療が難しいのは、耐性をもつ菌がいるためです。
そのため治療が終わった後でも、再度しっかりと検査を受け菌の死滅を確認することが大切です。

また体内に菌が残る原因として「他の部位に原因菌が感染していた」場合も考えられます。
トリコモナスは主に性器に感染しますが、そのほかにも子宮・卵管など周りの臓器に菌が感染することがあります。
治療によって性器の菌を死滅させたとしても、他の臓器で生き延びた菌が、再び性器に感染することで再発してしまうことがあります。

もう一つ再発の理由として考えられるのが「身近な人間が原因」の場合です。
とくにパートナーがトリコモナスに感染していた場合、治療を受けた後の性交渉により再発を繰り返してしてしまうことがあります。
一般に性病患者にパートナーがいるときには、一緒に検査・治療を受けることが大切です。
パートナーは同じ性病を発症している可能性がとても高いためです。
治療後に性交渉を行い、再び感染を繰り返す「ピンポン感染」を防止するためにも、同時に検査・治療を行うことが大切です。