トリコモナスなどの感染症について

世の中には様々な感染症があります。
感染症とは、病原体が体内に入ることによって症状が発生するもののことです。
そのうち、性的接触によって発症する感染症のことは性感染症と呼ばれています。
トリコモナス症も性感染症の一種として知られています。
トリコモナス症では、膣トリコモナス原虫という微生物が膣や尿道、膀胱内に入り込むことで症状が引き起こされます。
それでは、トリコモナス症は具体的にどのような症状が現れるのでしょうか。

ずばり!トリコモナスの症状とは?

トリコモナス症は女性のみが発症する感染症ではなく、男性も発症します。
しかし、女性の症状の方が男性の症状より強く表れやすいです。
女性の発症するトリコモナス症はその症状が膣やその周辺に表れるため、膣トリコモナス症と呼ばれることがあります。
男性が発症する場合は、トリコモナス症と呼ばれます。
どちらの場合も、トリコモナス原虫によって発症する感染症です。
トリコモナス症の症状として、まず女性の場合の症状を見ていきます。

女性の場合、膣や尿道に膣トリコモナス原虫が侵入し、以下のいずれかの症状または複数の症状が現れます。
まず、下り物の変化です。
黄緑色の下り物・下り物の悪臭などがその症状として現れます。
排尿時の痛みや違和感などを伴うこともあります。
さらに、外陰部や性器のはれ・痛みを伴うこともあります。
これらの症状の中でも下り物の異常が見られた場合は、トリコモナス症を発症している可能性があります。
下り物の変化は他の変化に比べて、目視で確認しやすく気づきやすい変化であるため、普段から下り物に気を付けておくことをお勧めします。
また、一つでも当てはまる症状があったら、他に体の異変がないかどうかを確かめるとよいでしょう。

次に男性の症状です。
男性の場合は、排尿時の痛みや尿道からの分泌液などが症状として現れます。
しかし、女性に比べて症状が強く表れず、その大半が無症状だとも言われています。
また、排尿によって原虫が外に排出されることもあります。
このように、男性の場合は女性の場合もよりも症状が軽く、自然に症状が消えることもあるため、発症自体に気づかないことが多いです。

これらの症状の原因がトリコモナス症ではない他の感染症の場合も考えられます。
しかし、どちらにしてもこれらの症状で特に下り物の異常が見られた場合は、医療機関に行って診察を受けることが望ましいです。
もし感染したままにしておくと、自身の体にもよくありませんが、他人に危険を及ぼしてしまうことも考えられます。
違和感が続くようでしたら、一度診察を受けてみるのが望ましいです。
女性の方が、症状が強く表れるトリコモナス症ですが、その感染経路はどのようなものがあるのでしょうか。
次はその感染のもとである原虫がどこからやってくるのかという視点から見ていきます。

トリコモナス原虫はどこからくるの?

トリコモナス症は、トリコモナス原虫という微生物が膣や尿道に侵入することによって発症します。
つまり原虫の侵入が直接的な原因ということになります。
この感染症の主な感染経路は性交渉です。
性交渉による感染は性感染症の主要な感染経路です。
トリコモナス症も他の性感染症と同じように性交渉によって感染する可能性があるということです。
女性の場合は、感染している男性との性交渉によって発症します。
男性の場合も同じように、感染している女性との性交渉によって感染することが多いです。

トリコモナス症の主な感染経路は性交渉ですが、性交渉にだけ気を付けていればよいというわけではありません。
なぜなら、性交渉以外の感染経路も存在するからです。
それは、不衛生な外部の環境との接触による感染です。
具体的には、便座や下着、タオル、浴場などで感染する恐れがあります。
原虫が付着している下着やタオルと陰部を接触した場合や、浴場で生存している原虫に感染してしまう場合があります。
トリコモナス原虫の特徴として水に耐性があることが挙げられます。
つまり浴場の中でも生存することができるということです。
浴場の他にも市民プールなども感染経路になってきます。
つまり私たちの何気ない日常生活にも感染の危険性が隠れているということです。

このように、トリコモナス症は性交渉以外の感染経路があります。
これは、性交渉の経験のない子供なども感染する恐れがあることを意味します。
ある家族のケースを考えてみます。
家族のうちの一人がトリコモナス症に感染しています。
その家族はバスタオルを家族共有で使用しているため、感染者が使用したタオルを他の者も使用します。
その家族の子供もそのバスタオルを使用してしまい、トリコモナス症に感染してしまいました。
子供などの性交渉の経験がない人の場合は、このような家族内での感染が主な感染経路となります。

このような感染を予防するには感染経路を断つ必要があります。
性交渉時にはコンドームを使用することが望ましいです。
家族内で感染者が存在することが分かっている場合は、共有して使用する者には気を付け、特にバスタオルなどの肌に接触する者は分けて使用することが必要です。
また、市民プールや大衆浴場では、椅子や浴場の地面などと陰部を接触させないように気を付けることで予防することができます。

トリコモナスにならないためにはコンドームで十分?

トリコモナス症の主な感染経路は性交渉であるため、その予防で有効なのが性交渉時のコンドーム着用であることは間違いないです。
しかし、コンドームの着用だけでは防ぎきれない場合があります。
それがオーラルセックスを行う場合です。
オーラルセックスとは、唇や舌で行う性交渉のことです。
オーラルセックス時にコンドームを着用する男性は少ないです。
つまり口腔と陰部の接触によって、感染をしたり感染をさせてしまったりするのです。
オーラルセックス時に自分の口腔と相手の陰部が接触します。
もし相手がトリコモナス症の感染者であった場合、自分は口腔から感染することになります。
そして、反対に自分が感染者であった場合は、自分の口腔から相手の陰部へ感染させてしまいます。

もちろんコンドームの着用は、性感染症を予防する上でとても重要なことです。
性交渉時の性感染症の予防策としてのコンドームの着用は多くの人に認知されるようになってきました。
しかし、トリコモナス症の場合はコンドームの着用のみでは安心することはできません。
その落とし穴がオーラルセックスです。
多くの女性が口腔で直接、男性の陰部と接触しています。
そして多くの男性が口腔で直接、女性の陰部と接触しています。
男性が感染者であった場合は、女性は感染してしまいます。
反対に女性が感染者であった場合は男性が感染することになります。
そのため、予防策としてはオーラルセックス時にもコンドームを着用することがあります。
また、女性の陰部と男性の口腔が接触する場合は、女性の陰部にラップなどを用いて直接の接触を避ける方法があります。

トリコモナス症は性交渉以外の感染経路も存在することは確認しました。
感染者が使用したバスタオルの使用や、大衆浴場の使用など、外部の環境との接触で感染してしまう場合もあるのです。
そのため、トリコモナス症にならないための手段としてコンドームの着用だけを心掛けるのは不十分であると言えます。
コンドームの着用はあくまでも性交渉時の対策であり、日常生活からの危険を防ぐことはできません。
トリコモナス症にならないために重要なことは、感染経路が性交渉以外にあるということを認識することと、状況に合わせた対応をすることです。
トリコモナスについての知識とそれに見合った行動によって、自分や相手を被害から守ることができるのです。